検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
新鮮凍結血漿の凝固活性
鈴木 洋司
1
,
関口 進
1
1防衛医科大学校検査部
pp.222-226
発行日 1987年3月1日
Published Date 1987/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204010
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新鮮凍結血漿(FFP)は,抗凝固剤を含む新鮮な血液から血漿成分を分離し,凍結保存したものである.その主な目的は凝固因子の補充にあり,大量出血や肝障害に伴う複合凝固因子欠乏に際して輸注を行う.
本来,一定の基準で製剤化されているので,十分な凝固活性をもつと考えられるが,実際に臨床で使用される段階ではどの程度の凝固活性を保持しているのだろうか,また,どの程度不適当な製剤が存在するのだろうか.出血傾向を伴う患者に投与するのであるから,FFPの凝固活性を把握しておくことはぜひとも必要である.そこでまずFFPについて紹介し,以下FFP中の各種凝固因子による凝固の機序および凝固活性の測定法とその意義について記述した.また臨床に提供される時点での凝固活性の検討結果について記し,問題点を考えてみたい.
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