臨床医からの質問に答える
輸血のトリガー値―新鮮凍結血漿は?
山本 晃士
1
1名古屋大学医学部附属病院輸血部
pp.150-153
発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103455
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はじめに
新鮮凍結血漿(fresh frozen plasma,FFP)を輸血するトリガー値はガイドラインで規定されてはいるが,臨床現場ではそれに則って輸血されているケースは少なく,「出血傾向があり凝固検査値が正常範囲以下ならとにかくFFPを投与」というのが実態であろう.その理由は,ガイドライン上のFFP輸血トリガー値が実際的でなく,わかりにくい,ということではないだろうか.また,ガイドラインには「観血的処置時を除き,(出血に対する)FFPの予防的投与の意味はない」とあるが,単なる出血予防目的にFFPが投与されるケースは後を絶たない.
このような現状に鑑み,本稿では現在のFFP輸血トリガー値および止血効果について検証し,より実効性のあるFFP投与基準を提唱してみたい.
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