症例検討 鎮静
鎮静の必要性とその実際:まず鎮痛,次にどれだけ使うかを考える
佐藤 敬太
1
,
足立 健彦
1
SATO, Keita
1
,
ADACHI, Takehiko
1
1田附興風会医学研究所北野病院 麻酔科
pp.148-151
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101140
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われわれ麻酔科医が患者を治療する際は,患者にその治療が必要な旨を説明し,理解と同意を得て行う。しかし,局所麻酔で行う手術で患者の不安が強い場合や,術後の人工呼吸管理などのように苦痛を伴う場合は,患者がその必要性を十分に理解していても,行うことが困難になる場合もある。患者が治療の必要性を理解できない場合は(例えば,重症の肺炎で人工呼吸が必要だが興奮して暴れているような場合),治療はもっと難しくなろう。そのようなとき,適切な「鎮静」を行うことで治療ができるようになる。
一口に「鎮静」と言っても,患者を眠ったような状態にする狭義の鎮静と,痛みを和らげる鎮痛を含む広義の鎮静があり,適切な鎮痛は,鎮静をうまく行う際のキーとなる。
鎮静には,さまざまな薬物を使用する。ただし,ICUで人工呼吸中の患者に鎮静を行う際には,薬に頼る前に,非薬物的なアプローチをきちんと行っているかを確認しなければならない(表1)*1。しかし,このようなアプローチを行っても,ほとんどの場合,ある程度の鎮静薬の投与が必要になる1)。
以下,本稿では,鎮静薬の特徴とその使い方を説明する。
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