症例検討 麻酔歴に問題がある患者のインフォームドコンセントと麻酔 3
術後に神経麻痺を起こした患者
できるかぎりの防止策を講じても100%の予防はあり得ないそんな現実を直視してもらう
安藤 英二
1
,
玉井 直
1
ANDO, Eiji
1
,
TAMAI, Sunao
1
1静岡県立静岡がんセンター 麻酔科
pp.988-990
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101047
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麻酔科医であれば,術直後に手足のしびれを訴える患者に遭遇することは少なくない。その多くは一過性で,翌日の術後訪問の際には症状が消失していることが多いが,なかにはそうした神経症状が遷延する症例もある。術後神経障害は手術とは直接関係のない,術前は正常であった機能が障害されることから,患者にとっても精神的苦痛は大きい。
麻酔科医を含めた手術室スタッフは可能なかぎりの予防策を講じて,神経障害の発生防止に努めなければならないが,それでも神経障害を完全に防止することはできない。術前説明の段階で,患者にはそのことを十分に説明し,納得してもらう必要があろう。
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