症例検討 麻酔歴に問題がある患者のインフォームドコンセントと麻酔 3
術後に神経麻痺を起こした患者
どうせ自然治癒するから…という甘い考えは禁物神経の走行を考慮して手術体位をとる
高木 俊一
1
TAKAGI, Shunichi
1
1東京女子医科大学 麻酔科学教室
pp.984-987
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101046
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橈骨神経麻痺は,サタデーナイト症候群やハネムーン症候群として,下垂手を起こすことでよく知られている。腕を枕にして居眠りしたり,机の角が腕に当たっていたりして,上腕外側の橈骨神経が圧迫されて起こる。基本的には自然治癒するが,長いと治癒までに数か月かかることもある。本症例は,麻痺が残っているとの記載がないため,自然治癒したと考えられる。前回の手術が他院で施行されたとすると,橈骨神経麻痺の原因や術後の状態などの情報が得られないこともある。術前に患者本人や家族からよく話を聞いて情報収集するとともに,再発防止に努めることが目標となる。
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