連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
予防策を講じていたにもかかわらず,術後に肺血栓塞栓症を発症した症例—産婦人科医による対応について
土田 達
1
,
青山 隆彦
2
1福井県立病院産婦人科
2福井県立病院循環器内科
pp.1018-1025
発行日 2014年10月10日
Published Date 2014/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200005
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症例
患者
50歳,2経妊2経産,身長163 cm,体重93 kg(BMI : 32).
主訴
下腹痛.
既往歴
13歳 : 虫垂切除術,20歳 : 腎盂腎炎.
現病歴
数か月前から下腹痛を自覚するようになり当院産婦人科を受診した.その他の愁訴はなかった.
検査所見
経腟超音波とCTで,一部に乳頭状部分を認める壁の厚い多囊胞状の97 mmに腫大した右卵巣を認めた.CA125は103 U/mL,CA19-9は269 U/mLと上昇していたが,その他の腫瘍マーカーを含めた生化学検査では特記すべき異常はなかった.
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