症例検討 麻酔歴に問題がある患者のインフォームドコンセントと麻酔 2
術後譫妄の既往のある患者
やるべきときに,やるべきことを,正しく行い,結果を待つ
入江 友哉
1
IRIE, Tomoya
1
1横浜市立大学附属病院 麻酔科
pp.898-901
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101025
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
術前診察
まずは型どおりに進める。
カルテ情報をまず整理
術前診察・説明に出向く前に,カルテで情報を得よう。患者に会う前に,各施設の術前診察用紙などを利用して問題点を整理し,診察すべきポイントをまとめる。
術前診断:直腸癌
術式:低位前方切除術
年齢:74歳,高齢である。
身長:160cm, 体重:50kg, BMI:19.5, 痩せている。直腸癌による悪液質だろうか。患者の栄養状態や活動性はどうか気になるところである。
現病歴:3か月前に下血。体重減少を自覚し当院受診。精査の結果,直腸癌と診断され,今回手術となった。
既往歴:72歳時に前立腺全摘術。麻酔は硬膜外麻酔併用全身麻酔で行われた。術後譫妄があり1週間で回復した。
1週間も譫妄が持続したということは注意すべき事実である。前回の周術期管理を確認する必要がありそうだ。
Copyright © 2010, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.