症例検討 麻酔歴に問題がある患者のインフォームドコンセントと麻酔 1
局所麻酔薬アレルギー疑いの患者
不確実な検査に時間を浪費せず,総合医としての麻酔科医の技量を示せ
広田 弘毅
1
,
山崎 光章
1
HIROTA, Koki
1
,
YAMAZAKI, Mitsuaki
1
1富山大学大学院医学薬学研究部 麻酔科学講座
pp.780-782
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101000
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触らぬ神に祟りなし?
麻酔の術前診察をしていると,局所麻酔(局麻)中に何らかの異常反応を示したために「局麻薬アレルギー疑い」と言われた患者に遭遇することは比較的多い。このような場合,麻酔科医の立場としては「とりあえず疑わしき(局麻)は避けて,今回は事無きを得ればいい」と考えがちである。しかし,麻酔科医にとっては今回限りのことでも,患者にとっては一生の問題である。なぜなら「局麻薬アレルギー」というレッテルを貼られてしまったら,局麻で治療を受けるという恩恵が得られなくなるからである。したがって本稿では,まず局麻薬アレルギーとその検査法の実情を明らかにしたうえで,患者の将来を見据えたインフォームドコンセントついて考えたい。
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