紫煙考
不確実性時代のタバコ論争
多田羅 浩三
1
1阪大公衆衛生学教室
pp.422-423
発行日 1979年3月10日
Published Date 1979/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215813
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不確実性の時代といわれる.確実なものが何もないのだろうか.否,あらゆるものが「確実」なのかも知れない.無知なのではない.無学なのでもあるまい.にもかかわらず,不確実といわれる.あるいはそれ故にこそ,不確実とされるのかも知れない,いつの頃から,この「不確実性の時代」は始まっているのだろうか.
イギリス医学理事会のリチャード・ドルとロンドン大学衛生熱帯医学研究所の医学統計の教授であったブラッドフォード・ヒルの二人が,喫煙と肺癌の関連を初めて訴えたのは1950年であった.
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