症例検討 歯科口腔外科手術の麻酔:気道管理のコツとポイント
巻頭言
横山 武志
1
1九州大学病院 歯科麻酔科
pp.47
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100841
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- 文献概要
歯科口腔外科の麻酔は,術野と気道が重なるためにその術中管理が難しくなるだけではない。口腔を中心とした病巣の存在のほかに術前の放射線治療や気管切開の既往などもあれば挿管困難のリスクは非常に高くなる。それだけに歯科麻酔ならではの工夫もある。
歯科麻酔では,病巣感染予防目的の歯科治療のための全身麻酔の依頼を受けることも多い。最近もフォンタン手術前の歯科治療目的の全身麻酔の依頼があり,SpO2が70%程度しかない症例を歯科外来で全身麻酔した。また,生体肝移植前のChild分類Cの小児症例もあった。その症例では,著明な腹水がありアルブミン値が2g/dL程度しかない状況で小児外科から全身麻酔を依頼されたが,これは静脈内鎮静に変更して歯科治療を行った。
私は以前に医学部の麻酔科で長い間仕事をしてきたが,そこでは考えられないような症例と日々格闘している。今回の症例検討を通して,歯科口腔外科領域の症例ならびにその麻酔についてご理解をいただきたいと思う。
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