徹底分析シリーズ LMA・声門上器具
私の疑問に答えて!
声門より上の手術に使う時のコツは?
中川 雅史
1
,
宇田 るみ子
2
,
孫 弘樹
2
Masashi NAKAGAWA
1
,
Rumiko UDA
2
,
Hiroki SON
2
1社会保険紀南病院 麻酔科
2市立枚方市民病院 麻酔科
pp.796-800
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100730
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■最も重要なコツは術者の理解と協力を得ること
私の知り合いの麻酔科医(狭い交友範囲ですので一般論ではないかもしれません)にLMAの使用について意見を聞いてみると,「自分で使うのは嫌いではないが,研修医に使ってもらうのは嫌だ。その理由は,複数の研修医を指導している状況でずれたりしたら大変だから」という方が少なからずおられます。特に症例を多くこなしている大病院ではこの意見が多いように思います。
このような状況で,LMAと術野が重なる耳鼻科や口腔外科の手術でLMAを使うコツを書いても賛同が得られないかもしれません。しかし,“Miller's Anesthesia”の第6版には,Flexibleは,扁桃摘出術,アデノイド切除術,鼻の手術において適切に気道を保護でき,覚醒の問題,咳,気道閉塞が少なくなる1)とあるように,世界的には普通に用いられている方法です。少しのコツを身につけてLMA使用の幅を広げてはいかがですか。
■LMAを使いこなすためには,知識,経験,技術を習得するトレーニングが必要
気道に関連する部位の手術においてわれわれがLMAを選択するのは,「抜管時や術後の嗽,喉頭痙攣など気道合併症が少ない」,「口腔内の出血などから気道を守れる」という点で威力を発揮するからである1,2)。扁桃摘出術など,多くの報告でその点が強調されて以来,Flexible管理による耳鼻咽喉科,歯科口腔外科での手術が増加してきた。
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