- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例
症例1
67歳の男性。II型糖尿病にてインスリン加療中。2か月前に急性心筋梗塞を発症し,前下降枝にステントが挿入された。その後,貧血精査のため上部消化管内視鏡が施行され,胃癌が認められたため手術目的で外科に入院となった。入院時,糖尿病性足壊疽,同部の感染,発熱があったため手術が延期された。血液培養の後,抗菌薬が開始された。その2日後,発熱は続き,突然呼吸困難が出現,血圧も低下,挿管され人工呼吸器が開始された。胸部X線写真上,肺水腫が認められ(図1A),敗血症に伴う急性呼吸促迫症候群 acute respiratory distress syndrome(ARDS)が疑われ,内科コンサルトとなった。
症例2
67歳の男性。II型糖尿病,高血圧あり。約3週間前に脳梗塞で入院。その時,嚥下障害があったため右内頸静脈に中心静脈カテーテルが挿入され,中心静脈栄養が施行された。4日後,脳梗塞が安定したと判断され,他院へリハビリテーション目的で転院となった。その2週間後,発熱を認め,CT上,胆石,胆囊炎を疑われ当院へ転院となった。転院時,血圧120/80mmHg,脈拍100/min,体温38℃,酸素飽和度(SpO2)97%であった。血液培養の後,抗菌薬が開始された。その翌日,SpO2 94%とやや低酸素が出現し,呼吸回数も28回/minと上昇し,起坐呼吸も出現した。発熱も持続していた。胸部X線写真上,入院時にはなかった肺水腫が出現し(図1B),敗血症に伴うARDSが疑われた。
症例3
70歳の女性。Parkinson病の患者。2日前からの発熱,呼吸困難,咽頭痛にて来院した。頸部の壊死性筋膜炎を認めた。血圧60/30mmHg,脈拍120/minにて敗血症性ショックと診断され,内科に入院した。大量輸液の後,胸部X線写真上,びまん性陰影を認めた(図1C)。
Copyright © 2009, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.