発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006320926
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19歳男.15歳頃より,視界がぼやけ,手足を動かしにくく感じる発作が出現した.テレビゲーム中に両上肢は屈曲,両下肢は伸展といった全身硬直性痙攣様の症状を伴う意識消失発作が出現した.身体所見にて下肢浮腫を認めず,また心臓超音波検査にて弁膜異常,拡張障害等は認めず,心不全は否定的であった.また,頭部CTにて頭蓋内占拠病変は認めなかった.てんかん発作による神経原性肺水腫をもっとも疑った.マスクによる酸素投与および補液のみで経過観察を行った.頭部MRI,MRAおよび心臓超音波検査やホルター心電図にていずれも異常所見は認めなかった.臨床症状と脳波での左半球で最大となる律動性徐波よりてんかんがもっとも疑われ,精査のためてんかんセンターに紹介,左半球性てんかんの診断で,carbamazepineが開始となった.その後てんかん発作の再発はなく良好な経過をとっている
©Nankodo Co., Ltd., 2006