徹底分析シリーズ 輸液管理:病態と輸液剤の選択
肝不全患者の輸液管理:水・ナトリウムの過剰を考えた輸液管理を
澤田 敦史
1
,
山蔭 道明
1
Atsushi SAWADA
1
,
Michiaki YAMAKAGE
1
1札幌医科大学医学部 麻酔学講座
pp.142-145
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100589
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重要臓器の一つ,肝臓が機能不全に陥るとは,一体どのような状態であろうか。わが国では,慢性肝炎から肝硬変に至る病態が主であるが,これに肝癌が合併するため,同部位が手術部位となることでその管理がややこしくなる。つまり,肝不全によって麻酔薬などの解毒機能が悪化し,膠質浸透圧や薬物の担体として重要なアルブミンなどのタンパク質が合成できなくなるだけでなく,肝臓切除中には肝臓への血流を途絶することで循環管理や輸液管理が難しくなる。さらに,二次性に門脈圧が上昇したり,脾機能が亢進することで,その管理はさらに難しくなる。しかし,担当する患者の病態を適切に把握し,また輸液剤を適切に選択することで,肝不全患者の麻酔管理はかなり思うようにコントロールできるはずである。それでは,その病態と輸液管理について学んでみよう。
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