特集 腎疾患
【水・電解質異常の管理】
8.ナトリウム異常の診断と治療—転ばぬ先の輸液補正
田川 美穂
1
Miho TAGAWA
1
1京都桂病院 腎臓内科
pp.111-118
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900398
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
低ナトリウム血症
低ナトリウム(Na)血症は臨床で最もよく遭遇する電解質異常である。入院患者における低Na血症の有病率は,血清Na濃度<136mEq/Lで30〜42%,血清Na濃度<126mEq/Lで2.6〜7%と推定されている。血清Na濃度<125mEq/Lの症例の約半数は入院後に起こった1)との報告もあり,医原性の低Na血症が意外に多いことを示唆している。低Na血症そのもの,あるいは低Na血症の治療が合併症や死亡率と関連しており,低Na血症発症のメカニズムを理解し,予防すること,低Na血症の診断と治療を適切に行うことは非常に重要である。低Na血症の症状としては,嘔気,嘔吐,意識障害,痙攣などがある。
Copyright © 2014, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.