症例検討 麻酔導入法で悩む症例
喘息患者の緊急手術の麻酔:限られた時間で最大限の術前評価,導入後も万全のモニターで対応
佐藤 暢夫
1
,
小谷 透
1
Nobuo SATO
1
,
Toru KOTANI
1
1東京女子医科大学 麻酔科/集中治療部
pp.1204-1208
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100525
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症例
23歳の女性。身長160cm,体重48kg。朝食後散歩をしていたところ,急に腹痛が起き,救急外来を受診した。来院途中に一度,嘔吐した。卵巣囊腫の茎捻転と診断され,緊急腹腔鏡手術が予定された。5年前に喘息を発症し,現在もステロイド吸入のほか,テオフィリン製剤,ロイコトリエン抑制薬を服用している。半年前には急性上気道炎を契機に重積発作を起こし,2日間気管挿管された既往がある。
経過:麻酔導入にはセボフルラン1.5~2.5%と酸素:空気=1 : 1を用いた。挿管後,1回換気量500mL,換気回数10回/minとして換気していた。気腹をして5分後に,それまで16cmH2Oであった気道内圧が28cmH2Oへと上昇した。SpO2は99%から94%へと低下した。
経過:気管支喘息発作と診断された。
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