書評
限られた時間での対応にもう悩まない! 緊急PCIマニュアル
阿古 潤哉
1
1北里大学医学部循環器内科学教室 主任教授
pp.385-385
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_385
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- 文献概要
急性期の血行再建療法はST上昇型心筋梗塞の死亡率を大幅に低下させた.とくに1990年代後半に,冠動脈ステントを中心とする経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)が急性期の血行再建の方法として用いられるようになってから,緊急PCIはある程度確立した治療法として認知されてきた.多くの施設で24時間,緊急PCIを行える体制が整備され,しかも比較的発症早期に緊急PCIを施行できる施設へ搬送可能なわが国の冠動脈疾患の死亡率は,そのような急性期治療にアクセスするまでの時間がかかる国よりも大幅に低いことがわかっている.しかし,緊急PCIは待機的PCIよりもハードルが高く,また合併症も多くて,さまざまなピットフォールが存在するのも確かである.
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