提言
医療/医学の進歩とともに—できることを最大限に
角田 明子
1
Akiko Kakuta
1
1東京女子医科大学
pp.1218-1219
発行日 2023年10月15日
Published Date 2023/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203560
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多様な疾患との出会い
臨床実習を過ごした大学病院で,多くの仕事をこなしながら,多職種の中でsmartに意見を述べているバイザーの後ろ姿に憧れて,同じ道を選んだ.入職当時は広い敷地内に立ち並ぶたくさんの病棟群に圧倒され,右往左往しながら一つひとつ仕事を覚えていった記憶がある.
東京女子医科大学のリハビリテーション部 作業療法部門は,身体障害と精神科作業療法に分かれており,スタッフはジョブローテーションをしながらそれぞれの部門の知識や技術を身につけていく.身体と精神,こころとからだは相互に影響し合って一人の人間を構成している.そのため,切り離して考えることはできない.障害が明確な身体障害を通してボトムアップに生活障害を捉えることが可能になり,さらに生活や環境から障害を評価する精神科の視点が加わり,幅広く患者さんの全体像を把握できる.早い時期に双方を経験したことが多少なりとも私の作業療法的思考を支えていると信じている.
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