連載 A.M.C.心臓手術と麻酔:第10回
急性心筋梗塞後心室中隔穿孔に対するパッチ閉鎖術
吉田 和則
1
,
内藤 嘉之
2
,
井出 雅洋
3
1西宮渡辺病院 外科
2明石医療センター 麻酔科
3神戸麻酔アソシエイツ
pp.1022-1032
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100464
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症例
70歳の女性。身長151cm,体重55kg,体表面積(BSA)1.5m2。高血圧にて加療中,突然の前胸部痛を自覚して当院へ救急搬送となった。左前下行枝(LAD)領域の急性心筋梗塞(AMI)に対し,経皮的冠動脈インターベンション治療percutaneous coronary intervention(PCI)が施行された。PCI施行後の経過は比較的良好であったが,術後第2日に突然,呼吸困難とショックに陥った。直ちにICUへ収容され,人工呼吸と大動脈内バルーンパンピング(IABP)が開始された。心臓超音波検査にて心室中隔穿孔(VSP)と診断され,緊急手術となった。心尖部付近の心室中隔に直径約2cmのVSPを認め,体外循環下に二重パッチを用いたmodified infarct exclusion法によりVSP閉鎖術を施行した。
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