症例検討 周術期のマイナーな,しかし,もしかしたら重大なトラブル
巻頭言
安田 信彦
pp.53
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100232
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- 文献概要
今回の症例検討は,周術期に遭遇するマイナーなトラブルを取り上げた。一見すれば,どうということないかもしれないが,まれに重篤な合併症の予兆や徴候である可能性もある。したがって,あなどってはならない。放っておいたために,治療の開始が遅延し,障害が残ったり死亡したりした場合に,「知らなかった」ではすまされないこともある。一方で,神経質になりすぎてパニックになる必要もない。慌てて不必要な治療を行い,その治療に伴う合併症を引き起こす危険すらある。
重要なことは,このような症例の診療にあたって,チェックすべきポイントを把握していることである。時として,特殊な検査が役立つことがある。しかし,タイムリーに特殊な検査を実施できず,その結果が得られない場合もある。
そこで,医師としての原点に戻って,麻酔前に患者の問診等により患者の訴え,現病歴,既往歴,家族歴の把握および身体所見の観察を十分に行うことが役立つことを忘れてはならない。
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