巻頭言

「素朴な疑問」シリーズの第2弾です。

　若い先生方を指導しているときに，「なぜ？」という質問を受けた時ほど嬉しいことはありません。どんどん先輩に投げかけてください。先輩として，答えられることは多いものの，素朴なだけに答えに詰まることもあり，その場で恥はかきます。しかし，自分の穴が見つかり，助かりもします。

　前回に引き続いて13件の「素朴な疑問」を集めました。本来は，臨床ですぐ使える具体的な数値が示された指針のようなものの提示が期待されることでしょう。しかし，項目によっては，国内で行政・学会などによるガイドラインが作成されていないために，具体的に答えにくいものがあります。今回は，一部の項目でそのことが現れており，それで「落着」としています。他方で，具体的な結論で「落着」していても，経験を積み，研究が進むにつれ，ガイドラインが見直されることもしばしばあります。

　指導者も臨床研修医も，絶え間ない知識のアップデートが必要です。そこで，この「素朴な疑問」への回答を実際の臨床に応用したり，新たな疑問の糧にしたりと役に立てていただけるでしょう。