症例検討 吸入麻酔薬:使用時の注意点
巻頭言
安田 信彦
1
1学校法人慈恵大学 経営管理研究室
pp.643
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100693
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- 文献概要
5月号の徹底分析シリーズでセボフルランに関する復習とアップデートを行ったが,今回の症例検討は実践編として,セボフルランの安全使用を促進するために,セボフルランの投与に伴う諸問題への対応を特集した。
具体的には,セボフルラン投与時の手術開始前後の循環動態の変化,低流量麻酔の加湿・加温性能,術中における体温の上昇,導入時の痙攣,長時間手術を取り上げた。手術開始前後の循環動態の変化は,日常的な問題だが,対応を間違えると血行動態障害に伴う合併症や術中覚醒が起きる。術中の体温上昇や導入時の痙攣は,見過ごすと重篤な結果を招くことがまれにある。一方,セボフルランによる低流量麻酔は,副産物の加湿・加温が術中の体温低下防止に役立ち,コスト面において長時間手術に適している。
セボフルランの好ましくない問題点には対処法があったり,臨床的にはさほどの問題でなかったり,さらに,使い方によっても利点が拡大する。セボフルランをもう少し使ってみてはいかがだろうか。
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