症例検討 モニタリングをめぐるトラブルとその対処法2
カプノメータ:呼気終末二酸化炭素分圧が動脈血二酸化炭素分圧よりも15mmHgも低い。
慢性閉塞性疾患,急激なPETCO2の下降は,肺塞栓症,心拍出量低下を疑う/ポイントは,呼吸回路の死腔,気道内圧の上昇や,循環血液量減少,低血圧による肺血流低下で生じる死腔を考える
平林 剛
1
,
石井 脩夫
1
,
浅賀 健彦
2
,
植木 正明
2
Go HIRABAYASHI
1
,
Nagao ISHII
1
,
Yasuhiko ASAKA
2
,
Masaaki UEKI
2
1東京医科大学八王子医療センター 麻酔科
2香川大学医学部 麻酔救急医学講座
pp.382-386
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100080
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呼気中の二酸化炭素測定,すなわちカプノグラフィーは,この数年でほぼ日常的に行われる手技となった。ガスサンプルの手法として,サイドストリーム方式とメインストリーム方式がある。サイドストリーム方式は,ガスサンプルの一部を呼吸回路内から測定器まで吸引して測定する。コネクタが軽く,死腔量が少なく,他の麻酔ガス濃度も同時に測定できるなどの利点があるが,応答時間が長く,結露によって誤差を生じることがある。メインストリーム方式は呼吸回路患者側端に気道をまたぐようにセンサーを設置し,呼吸回路内のガスを直接センサーで測定する。応答時間は早いが,センサーヘッドが重く,アダプタによる死腔量増加が欠点となる。麻酔ではほとんどサイドストリーム方式カプノグラフィーが用いられる。
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