今月の臨床 難治性細菌感染症
婦人科の難治性感染症
4.骨盤死腔炎
近藤 晴彦
1
,
斎藤 俊章
1
,
塚本 直樹
1
1国立病院九州がんセンター婦人科
pp.926-928
発行日 1998年7月10日
Published Date 1998/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903333
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骨盤死腔炎は,婦人科手術後に骨盤内に組織欠損を伴うことにより,欠損部の空隙に貯留する血液やリンパ液が細菌増殖の温床となって発生する骨盤内感染症と定義される.最近では,術前・術後管理の進歩,術中の無菌操作の徹底,手術室管理の向上,抗生剤の適切な投与などにより,その発症頻度は減少してきている.骨盤死腔炎の発症は10%前後と報告されているが1),臨床的に問題となるのはもっと低い頻度であろう.今後もこの合併症の発生を予防し,発生した場合には重篤にならないように管理することが必要である.
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