特集 難治性喘息—なぜこの喘息患者はよくならないのか?
Ⅵ.症例から学ぶ実践的アプローチ
生物学的製剤の使用による著効例と失敗例の比較
丸毛 聡
1
1公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院呼吸器センター
キーワード:
重症喘息
,
生物学的製剤
,
Type 2炎症
,
treatable traits
,
臨床的寛解
Keyword:
重症喘息
,
生物学的製剤
,
Type 2炎症
,
treatable traits
,
臨床的寛解
pp.590-599
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.243232680730040590
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POINT
●重症喘息治療は,特定の炎症経路を標的とする生物学的製剤の登場により,「臨床的寛解」という新たな目標を掲げる時代に入った.
●治療成功の鍵は,患者個々の気道炎症の特性をバイオマーカー・併存症で正確に評価し,その中心的病態に合致した薬剤を選択することにある.
●効果が不十分な症例の背景には,喘息を悪化させる併存症が見過ごされていることや,複数の異なる炎症経路が複雑に関与していることなどが挙げられる.
●生物学的製剤を単に投与するだけでなく,喘息に影響するすべての治療可能な因子を網羅的に評価・管理する統合的アプローチと,治療反応に応じた柔軟な戦略変更が,患者を真の寛解へ導くために不可欠である.

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