特集 呼吸器診療の悩ましい「分かれ道」—プロは何を選ぶか?
序文
呼吸器診療の悩ましい「分かれ道」—プロは何を選ぶか?
倉原 優
1
1国立病院機構近畿中央呼吸器センター臨床研究センター
pp.316-317
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.243232680730030316
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本特集「呼吸器診療の悩ましい『分かれ道』プロは何を選ぶか?」は,日々の診療で私たちが直面している,“どちらを選ぶべきか”という難しい場面に焦点を当てた企画です.呼吸器内科領域では,新たな診断技術や治療薬が次々と登場しており,その進歩は私たちにとって非常に心強い一方で,選択の複雑さも増しています.
ある疾患では旧来の治療法がすでに主流ではなくなっていたり,別の疾患では医師や施設によって治療方針が大きく異なったりと,「最適解が一つではない」状況が多く見受けられます.喀血に対して止血剤を使うか,血管塞栓術に進むか.喘息に対してどの吸入薬を選ぶか.COPDにおいてLAMA単剤で始めるべきか,triple therapyに踏み切るべきか.肺非結核性抗酸菌症でアミカシンリポソーム吸入懸濁液を導入すべきか.どの抗癌薬を選択するか.こうした悩みは,特に若手医師にとっては日常的に直面するものではないでしょうか.

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