特集 呼吸器診療の悩ましい「分かれ道」—プロは何を選ぶか?
Ⅰ.症状
咳嗽の分かれ道
斎藤 純平
1,2
1福島県立医科大学医学部呼吸器内科学講座
2福島県立医科大学附属病院臨床研究管理部
キーワード:
急性咳嗽
,
遷延性咳嗽
,
慢性咳嗽
,
喀痰
,
鎮咳薬
Keyword:
急性咳嗽
,
遷延性咳嗽
,
慢性咳嗽
,
喀痰
,
鎮咳薬
pp.328-337
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.243232680730030328
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ここが分かれ道
●咳嗽を来す疾患は多岐にわたることから,咳嗽の持続期間(急性・遷延性・慢性)と喀痰の有無(乾性・湿性)により分類し,頻度の高い疾患を推定しながら診断・治療へのアプローチを行う.なかには,生命や公衆衛生に関わる疾患の可能性もあることに注意する.
●咳嗽治療の基本は,まず原因疾患に対する特異的治療を行うことである.そのうえで,十分な治療を行っても咳嗽が改善せずQOLが低下している場合や,原因が明らかでない場合には,非特異的鎮咳薬の使用を検討する.
●非特異的鎮咳薬は麻薬性および非麻薬性の中枢性鎮咳薬,末梢性鎮咳薬の3つに分類される.各薬剤の特徴を十分に理解したうえで使用することが望ましい.漫然とした長期投与は原因疾患の見落しや副作用発現につながる恐れがあるため避けるべきである.

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