巻頭
研究の獨創性
小川 鼎三
1
1東大解剖
pp.99
発行日 1953年12月15日
Published Date 1953/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905745
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世間ではよく「世界的の學者」だとか,「世界的の業績」だとか云いたがるのだが,これは世界中によく知られた有名な學者とか業績を意味するのであろう。日本でも少數の人々が世界的の名聲を得ている次第で,まず以て慶賀すべきことである。
筆者が戰前のシカゴ市ノースウエスターン大學に留學していたとき,いつも病理學細菌學の教室の廊下をとおつて,自分の研究室に通うたのであるが,その廊下に全世界の主な病理學者,細菌學者の肖像が20ほど掲げられていて,その中にわが國の北里柴三郞博士と山極勝三郞博士の2枚が含まれていたことは日本人として實に嬉しく感じ,そこをとおるときは,思わず胸を張つて濶歩するのであつた。
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