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特集 研究室で役に立つ新しい試薬
膜関連試薬
ナトリウムチャネル関連試薬
ジェオグラフトキシン(μ-コノトキシン)
Geographutoxin (μ-Conotoxin)
大泉 康
1
Yasushi Ohizumi
1
1三菱化成生命科学研究所
pp.426-427
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905338
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■特性および構造
熱帯や亜熱帯のサンゴ礁海域に生息するイモ貝類は,毒矢を用いて魚や貝などの餌生物を麻痺させて捕食する巻貝である。ジェオグラフトキシン(GTX)類は,イモ貝の一種アンボイナConus geographusの毒腺に含まれる猛毒である。筆者らは,マウス骨格筋の収縮を阻害する活性を指標にして沖縄産アンボイナの毒腺から活性物質の精製を行った。その結果,アミノ酸22残基よりなる2種類のペプチド毒を単離・構造決定に成功し,それぞれGTX-ⅠおよびGTX-Ⅱと命名した1)。これらのペプチドの構造は図1に示すように互いに類似しており,分子内にシスチンが6残基含まれS-S結合が3個存在する。一方,オリベラらのグループもインドネシア産アンボイナからμ-コノトキシンGⅧAおよびGⅧBと呼ばれるペプチドを単離したが2),それらはGTX-ⅠおよびGTX-Ⅱとそれぞれ同一物質であると考えられるので,以下GTXという名称に統一した。
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