特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
免疫学的検査
感染症関連検査
微生物の抗原・抗体検査
エンドトキシン
福井 博
1
1奈良県立医科大学第3内科
pp.396-397
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101843
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
エンドトキシン(endotoxin:Et)はグラム陰性桿菌の細胞壁に存在するリポ多糖類である.敗血症を始めとする各種のグラム陰性桿菌感染症において感染巣から血液中に放出されるほか,肝疾患では腸管内グラム陰性桿菌の増殖,腸管透過性亢進,Kupffer細胞機能不全,門脈・大循環シャントなどの複合要因によりEt血症が生じる.
臨床上の重要性と選択
重症グラム陰性菌感染症および敗血症のほか,重症肝障害,重症膵炎,重症炎症性腸疾患などでEt血症が発現しやすく,生体の防御機構が不十分なとき,これがEtショック,播種性血管内血液凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC),多臓器不全などの原因となる可能性がある.したがってこれらの疾患が疑われたときEtを測定する.
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