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特集 Ca2+-チャンネルの最近の動向
Caチャンネル作用薬とCaチャンネルのタイプの識別
Discrimination of different types of calcium channels using channel modulators
大泉 康
1
Yasushi Ohizumi
1
1三菱化成生命科学研究所細胞生物学研究部
pp.579-582
発行日 1987年12月15日
Published Date 1987/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905082
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I.Caチャンネルの種類
細胞膜に伝達された情報は,細胞内セカンドメッセンジャーによって細胞内小器官へ伝えられる。近年Ca2+がセカンドメッセンジャーとして細胞機能の調節に重要な役割を果していることが明らかになってきた。このCa2+の細胞内流入を直接制御しているのがCaチャンネルと呼ばれる蛋白質分子である。Caチャンネルは電位依存性Caチャンネルと受容体制御性Caチャンネルの二つに大別される。最近,Tsienらのグループ1)は,電位依存性Caチャンネルが電気生理学的および薬理学的性質によってtransient(T)型,long-lasting(L)型およびneither(N)型の三つのサブタイプに分けられるというきわめて注目すべき事実を報告した(表1)2-4)。この三つのCaチャンネルの電気生理学的な相違点としてまず第一に,チャンネルゲートの開閉機構をあげることができる。T型チャンネルは比較的小さな脱分極で活性化されるが,不活性化が速やかに起こるため,電流は一過性に流れる。L型チャンネルは大きな脱分極が起こると活性化され,その不活性化は非常に遅いため,数百msec電流が流れ続ける。N型Caチャンネルは,大きな脱分極が起こらないと活性化を受けない点でL型チャンネルと類似しているが,不活性化はT型チャンネルのように速やかに起こるので,一過性に電流が流れる。
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