Japanese
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特集 肝細胞と胆汁酸分泌
胆汁酸生合成経路とその異常
Biosynthetic pathways of bile acids and their anomalies
奥田 九一郎
1
Kuichiro Okuda
1
1広島大学歯学部口腔生化学教室
pp.85-90
発行日 1985年4月15日
Published Date 1985/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904706
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体内コレステロールの85〜90%は肝臓で胆汁酸に変換された後胆汁中に排泄される。したがって量的に見た場合,コレステロール代謝の大部分は胆汁酸への変換であるということができる。ヒトにおける胆汁酸の生合成について,最近米国RichmondのV. A. Hospitalのグループはスウェーデンのカロリン研究所のGustafsson,Uppsala大のDanielssonらと共同で詳細な研究を発表している。図1は彼らによって提案されている胆汁酸合成経路である1,2)。従来,動物(主として白ネズミ)を使った研究から得られた結果3)と異なる点は,①コレステロールから7α-水酸化を経ないでコール酸に変換する経路が存在すること(25〜30%),②核の変換は側鎖の酸化以前に完了するというBergströmらの古い仮説は必ずしも成り立たず,側鎖が酸化されている中間体でも核の修飾を受け得るということである(たとえば5β-コレスタン-3α,7α,26-トリオールも12α位に水酸化を受けて効果的にコール酸に変わり得る)。以下図1の個個の反応について図に示した番号に従って概説することにする。
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