Japanese
English
特集 肝細胞と胆汁酸分泌
異常胆汁酸の生成と代謝
Synthesis and metabolism of unusual bile acids
安室 芳樹
1
,
東野 一彌
1
Yoshiki Amuro
1
,
Kazuya Higashino
1
1兵庫医科大学第三内科
pp.144-148
発行日 1985年4月15日
Published Date 1985/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904714
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胆汁酸は肝でコレステロールより生成され抱合を受けた後胆道を経て腸管へ分泌され,その大部分は回腸末端へ達するまでに吸収される。また一部は大腸へ移行し,腸内細菌の作用で脱抱合および脱水酸化を受けてから吸収される。すなわち閉鎖的な腸肝循環を行っており合成量に相当する量が糞便中へと排泄される。胆汁酸のうちコレステロールより直接生成される胆汁酸が,いわゆる一次胆汁酸とよばれるコール酸(以下CAと略す),およびケノデオキシコール酸(CDCA)であり,それらが脱水酸化を受けて二次胆汁酸のデオキシコール酸(DCA),およびリトコール酸が生じる。この四種にCDCAの7β-異性体であるウルソデオキシコール酸(UDCA)を加えた五種がヒト体液成分中の主要な胆汁酸である(図1)。
ところが糞便中にはこれらの胆汁酸以外のケト型胆汁酸やβ-水酸化型胆汁酸が微量ながら存在し,それらは腸内細菌の作用で産生された二次胆汁酸であると考えられている。
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