特集 ここまで来た! 新生児マススクリーニングと対象疾患の治療
これから対象となる可能性のある疾患
先天性胆汁酸代謝異常症
鈴木 光幸
1
,
武井 一
2
,
入戸野 博
2
SUZUKI Mitsuyoshi
1
,
TAKEI Hajime
2
,
NITTONO Hiroshi
2
1順天堂大学医学部小児科
2順伸クリニック胆汁酸研究所
pp.1825-1830
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002170
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はじめに
先天性胆汁酸代謝異常症とは,一次胆汁酸であるコール酸とケノデオキシコール酸の合成経路を担う各酵素の先天的な機能異常により発生する非常にまれな先天代謝異常症である。胆汁酸合成経路の中間代謝産物である異常胆汁酸または胆汁アルコールが肝細胞内に蓄積することで胆汁うっ滞性肝障害をひき起こす。早期に一次胆汁酸療法を開始することで,肝硬変への進展を回避できる可能性がある。異常胆汁酸は日齢4~5に採取した新生児ろ紙血を利用し,液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法(LC/MS)で検出可能である。
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