Japanese
English
特集 リン酸化
総説
筋収縮とリン酸化
Phosphorylation in muscle contraction
渡辺 静雄
1
Shizuo Watanabe
1
1群馬大学工学部応用化学科
pp.264-275
発行日 1982年8月15日
Published Date 1982/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903547
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過去50年間の生化学歴史は"リン酸化"の理解のための歩みであるかにみえる。また,筋収縮の研究ほど,そのリン酸化と終始密接にかかわり合ってきた研究領域はないであろう。このところ,リン酸化の理解がATP時代の"エネルギー化"という認識から,ホルモン時代の"調節"という認識に移行しているように思われる。そう思われる1つの原因は,筋収縮のCa2+による調節の研究とホルモン作用の研究とが,タンパク質のリン酸化を介して関連してきたからであろう。このような事情の一端を荷うものとして,「砂のう平滑筋ミオシンが酵素的にリン酸化・脱リン酸化するに伴って,ミオシン分子の集合と解集合がおこり,アクトミオシンの収縮現象と弛緩現象がおこる」という我々の発見を紹介したいと思う。
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