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実験講座
アセチルコリンの生物検定法—ハマグリ心臓とfluid potentiometer
Acetylcholine bioassay: fluid potentiometer and clam whale heart
大沢 一爽
1
Kazuaki Ohsawa
1
1東京大学医学部第二生理学教室
pp.125-130
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903177
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はじめに
シナプスの化学伝達物質としてのアセチルコリン(Ach)に対する研究は,20世紀初頭から始まり,その生物検定も1926年,LoewiとNavratilが迷走神経の化学伝達物質としてAchを同定したときかち多くの報告がなされた。Ach定量の生物検定法としてDale1)が発表してから50年の歳月が経ている現在でも──種々のabstractのAch欄を総計しただけで,──毎日一編以上のAchに対する報告がなされている。薬物としてのAchに興味をもつ研究者が多いのは,神経と筋細胞の膜を興奮または抑性させる現象を惹起させるからであろう。Na,K,Caイオンと同じようにAchの動態が膜分子モデルの相関として捉えられつつあるけれども,定説はない。ここではAchの動態には触れずに,Achの微量検定の実験と現象を記してみる。
Achの測定は物理化学的には螢光法,ガスクロマト,偏光,放射性物質などの分析方法2)に移りつつある。Achの化学的滴定の初期は塩化金3)とAch化学的比色法4)に頼っていた。この方法は生体ではAch以外にも4級アミンがあるので特異性がなく,各種コリンを選別することができず,低感度の測定法なので生物屋にとっては顧みられる機会が少なかった。
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