Japanese
English
特集 自律神経と平滑筋の再検討
総説
消化管運動の内在神経性制御
Intrinsic nervous control of gastrointestinal motility
大橋 秀法
1
,
武脇 義
1
Hidenori Ōhashi
1
,
Tadashi Takewaki
1
1岐阜大学農学部獣医学科家畜薬理学教室
pp.508-522
発行日 1975年12月15日
Published Date 1975/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903091
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消化管運動の直接の担い手は,管壁を構成している平滑筋組織である。この組織を構成している平滑筋は,Bozler(1948)22)の分類に従えば単元筋(single unit muscle)であり,隣接する筋細胞は,nexus34,35)またはgap junction109,135)と呼ばれる構造によつて互いに電気的につながつており,機能的には合胞体のように振舞う。たとえば一部の細胞に発生した興奮は伝導して隣接細胞に拡がり,多くの細胞が同期して収縮を起こす。この型の平滑筋は自働能を有しているので消化管は神経支配が除かれても運動を持続する。正常な消化管運動は,平滑筋の自発活動に起源する運動を中枢が脊髄あるいはより上位の脳中枢にある外来神経反射や壁在神経叢レベルにある局所反射などによつて神経性に調節して形成されているといえよう。この神経性制御を明らかにするためには,各反射弓の求心性経路,求心性経路からの情報を統合,再区分して遠心性経路に渡す中枢および遠心性経路について解明される必要があろう。しかしこれまでの研究は,ほとんど遠心性経路に関するものであり,他の構成要素についての研究成果は少ない。
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