Japanese
English
特集 時間生物学の新展開
体内時計中枢に内在する同期機構
Synchrony in the center of the circadian rhythm
重吉 康史
1
,
長野 護
1
,
筋野 貢
1
Shigeyoshi Yasufumi
1
,
Nagano Mamoru
1
,
Sujino Mitsugu
1
1近畿大学医学部解剖学
キーワード:
視交叉上核
,
位相波
,
時差ぼけ
,
朝時計
,
夕時計
Keyword:
視交叉上核
,
位相波
,
時差ぼけ
,
朝時計
,
夕時計
pp.527-531
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200545
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哺乳類では体内時計の中枢と呼ばれる部位は1か所で,視床下部の視交叉上核(Suprachiasmatic nucleus;SCN)がその場である。視交叉上核は視交叉の背側に存在する一対の小さな神経核で,前後に長い卵形であるが,その長径においても1mm程度である。視交叉上核が出力する概日リズムは末梢組織に存在する時計の位相を決定し,生理現象に概日リズムを付与している(図1)。視交叉上核の一側には約10,000個の細胞が存在している。分散培養を行うと,そのうちの約2割が自立的な振動を継続する1)。これらの発振ニューロンの周期はばらつきが大きい2,3)。そのため,単一の概日リズムを出力するには振動子間の同期を達成する必要がある。本稿では,体内時計中枢としての機能を果たすために必須の細胞間同期機構を中心に記述する。
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