Japanese
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特集 脳の発達に関与する分子機構
ネクチン-アファディン系による神経シナプスの形成機構
Nectin-afadin system in synaptogenesis
中西 宏之
1
,
高井 義美
1
,
溝口 明
2
Hiroyuki Nakanishi
1
,
Yoshimi Takai
1
,
Akira Mizoguchi
2
1大阪大学大学院医学系研究科生体制御医学生化学・分子生物学講座
2三重大学医学部第一解剖学講座
pp.187-192
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902267
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神経シナプスはニューロン間の細胞間接着であり,シナプスには少なくとも機能的,形態的に二つの異なった膜ドメインが存在する。ひとつはsynaptic junction(SJ)であり,もうひとつはpuncta adherentia junction(PA)である(図1)。SJは神経伝達が行われるドメインであり,その前シナプス膜にはカルシウムチャネルが集積しているアクティブゾーンが存在し,シナプス小胞と連結している。後シナプス膜では後シナプス肥厚(PSD)と呼ばれる膜裏打ち構造が存在し,神経伝達物質のレセプターが集積している。一方,PAは上皮細胞の細胞間接着と同様に,前,後シナプス膜が対称的な形態を保っており,シナプスの機械的な接着に関わっていると考えられている。近年,神経伝達の研究によってアクティブゾーンとPSDを構築する分子が多数単離され,SJの分子構築は明らかになりつつあるが,シナプスの接着機構やその形成機構はほとんど解明されていない。
一方,上皮細胞の細胞間接着には,形態学的に特徴的なtight junction(TJ)とadherens junction(AJ)が存在する(図2)。TJでは,細胞膜貫通蛋白質であるクローディンとオクルーディンがTJストランドを形成し,細胞膜裏打ち蛋白質であるZO-1,-2,-3を介してアクチン細胞骨格に連結している1)。
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