特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
12.細胞接着
ネクチン1 nectin-1/ポリオウイルス受容体関連タンパク1前駆体(PVRL1)
溝口 明
1
,
木村 一志
1
Akira Mizoguchi
1
,
Kazushi Kimura
1
1三重大学医学部ゲノム医科学大講座神経再生学・細胞情報学部門
pp.498-499
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100483
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ネクチン細胞接着分子は,イムノグロブリン様ループ3個を有する1回膜貫通型蛋白質で,1型から4型までのサブファミリーを形成している。1型~4型のネクチン分子は,同型間でホモフィリックトランスに結合するだけでなく,異型間でヘテロフィリックトランスにも結合でき,結合の強さは後者が前者より数十倍強い。ネクチン分子のC末端は,細胞質内で足場蛋白質アファジンのPDZドメインと結合し,アファジンはアクチン細胞骨格と結合している。ネクチン分子は普遍的に発現しており,上皮では接着帯に局在し,脳海馬のシナプスではpuncta adherentia junctionに局在している。ネクチン細胞接着分子の生物学的機能としては,上皮細胞間の接着強化および接着解除,シナプスの大きさと位置の制御,軸索のガイダンスに関与していることが証明されている。
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