特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008
1.細胞生物学
細胞極性形成におけるネクチンとネクチン様分子の機能と作用機構
河野 智
1
,
池田 わたる
1
,
高井 義美
1
Satoshi Kawano
1
,
Wataru Ikeda
1
,
Yoshimi Takai
1
1神戸大学大学院医学研究科生化学・分子生物学講座
pp.338-339
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100503
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個体を形成する個々の細胞は,その機能を十分に発揮するために細胞自身の形態や,種々のタンパク質,細胞骨格,細胞内装置の局在を厳密に制御し,細胞極性を形成している。この細胞極性の崩壊は細胞機能の破綻を導き,がんや動脈硬化など多くの疾患の病態に関係している。近年,細胞極性の関連因子が次々と同定され,細胞極性の形成機構が次第に明らかになってきている。本稿では,まず間葉系細胞が運動する際に形成される極性に関して,次に運動している細胞同士が衝突すると運動が停止して細胞間接着が形成されるが,この際に認められる極性の変化に関して,最後にこのような間葉系細胞が上皮細胞に分化して形成される極性に関して概説する。
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