特集 病気の分子細胞生物学
4.消化器疾患
C型肝炎
伊東 進
1
,
清水 一郎
1
,
本田 浩仁
1
Susumu Ito
1
,
Ichiro Simizu
1
,
Hirohito Honda
1
1徳島大学医学部第二内科
pp.416-417
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901747
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[疾患概略]
C型肝炎はC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus;HCV)の感染により引き起こされる肝炎の総称である。一般的に,C型肝炎は初感染後高率に慢性化し,慢性肝炎から肝硬変へと徐々に進展する。さらに,疾患が進展するほど肝癌の発生率が高くなり,肝癌の発生母地としても非常に重要である。
HCVが発見される以前は,C型肝炎は非A非B型肝炎と呼ばれており,その診断は除外診断によりなされていた。そして,非A非B型肝炎の原因としてウイルスの存在が推測されていたが,単一のウイルスかどうかも不明であり,多くの研究者がその原因解明に取り組んでいた。HCVが発見されるに至り,非A非B型肝炎の原因の大部分がHCVであることが判明し,C型肝炎としての疾患名が定着した。
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