厚生行政を読む
C型肝炎
厚生行政研究会
pp.1170-1171
発行日 1989年11月1日
Published Date 1989/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209738
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はじめに
昨年のことであるが,米国から非A非B型肝炎ウイルスに由来する何らかの蛋白が発見されたとの報があった.B型肝炎ウイルス粒子(HBV)の発見が1970年であり,A型肝炎ウイルス(HAV)の発見が1973年であるので,この蛋白発見が糸口となって新しいウイルスが発見されれば,ひさびさの大物ウイルスの発見ということになる.この未知のウイルスについては十数年前よりC型肝炎ウイルス(HCV)の名が予約されていたのだが、ウイルスが発見されるまでは実態の不明確なものに堂々と命名することへの後ろめたさからか,通常は,未知の肝炎ウイルスを総称して「非A非B型肝炎」と呼んできた.なお,HCVを通りこしてHDV (デルタ肝炎ウイルス),HEV(流行性非A非B型肝炎ウイルス)が既に発見されているので,C型肝炎ウイルス以外の未知の肝炎ウイルスについては,当面,非A非B非C非D非E型肝炎ウイルスと呼ぶことになるのかもしれない.
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