特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998
Ⅲ.トランスミッターの放出・取り込みに作用する薬物
グルタミン酸
島崎 久仁子
1
Kuniko Shimazaki
1
1自治医科大学第一生理学教室
pp.451-453
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901635
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グルタミン酸は脳における主要な伝達物質であり,脳内の約40%がグルタミン酸作動性シナプスであるといわれている。グルタミン酸作動性シナプスにおいては,酵素的にグルタミン酸を不活化する機構が備わっていない。これを担当するのがグルタミン酸トランスポーターである。ニューロンとグリアに存在するグルタミン酸トランスポーターとしてはGLAST(EAAT1),GLT-1(EAAT 2),EAAC 1(EAAT 3)とEAAT 4が報告されており,異なる分布を示す(表1)。最近クローニングされたEAAT 5は網膜に多く,脳には殆どない1)。グルタミン酸トランスポーターは独立のファミリーを形成し,他の伝達物質トランスポーターとの相同性はない。
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