Japanese
English
特集 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新しい治療
1.グルタミン酸拮抗薬
Glutamate Antagonist
進藤 政臣
1
Masaomi Shindo
1
1信州大学保健管理センター
1Shinshu University Health Center
キーワード:
amyotrophic lateral sclerosis(ALS)
,
glutamate inhibitor
,
riluzole
,
Norris scale
,
drug effect
,
clinical trial
Keyword:
amyotrophic lateral sclerosis(ALS)
,
glutamate inhibitor
,
riluzole
,
Norris scale
,
drug effect
,
clinical trial
pp.597-605
発行日 1998年7月1日
Published Date 1998/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901306
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はじめに
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因・病態については多くの仮説が提唱されているが,未だ解明には至っていない。近年Guam島で広く食べられていたソテツの実から興奮性アミノ酸が検出され(Spencer et al.198715)),またALSにおいてグルタミン酸代謝異常が存在するという報告(Plaitakis et al.198710))や,ALS患者の脊髄や大脳の運動皮質においてグルタミン酸トランスポートが著明に減少しており,他の神経部位では正常であったこと,またアルツハイマー病やハンチントン病など他の神経変性疾患では異常が見られなかったとする報告(Rothstein et al.199212))がなされて以来本疾患における病態に興奮性アミノ酸の一つであり神経毒性としての作用(Meldrum 19938),Rothstein 199511),Shaw 199413))を持ち得るグルタミン酸の関与が注目されるようになった。
Riluzoleは抗グルタミン酸作用を有するベンゾチアゾール系の化合物であり,本疾患に対する臨床的有効性の検討が行われるようになった。
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