Japanese
English
総説
グルタミン酸受容体
Glutamate Receptors
川合 述史
1
Nobufumi Kawai
1
1自治医科大学第一生理学教室
1Department of Physiology, Jichi Medical School
キーワード:
AMPA
,
KA
,
NMDA
,
ionotropic
,
metabotropic
,
cloning
,
JSTX
,
in situ hybridization
,
immunohistochemistry
Keyword:
AMPA
,
KA
,
NMDA
,
ionotropic
,
metabotropic
,
cloning
,
JSTX
,
in situ hybridization
,
immunohistochemistry
pp.815-821
発行日 1994年9月1日
Published Date 1994/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900678
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はじめに
グルタミン酸は脳に最も多量に存在する伝達物質であり,興奮性シナプスに作用し,神経系の早い信号伝達の大部分を担うことが知られている。この他にグルタミン酸作動性のシナプスは,記憶あるいは学習という高次機能に密接に関連し,また脳の虚血後の神経細胞死の引き金になることが明らかにされており,脳の伝達物質・受容体研究の中心の位置を占めている。グルタミン酸受容体は,イオンチャンネル型とGTP結合タンパク質結合型(または代謝型)の2型に大別される。イオンチャンネル型グルタミン酸レセプターはさらに親和性の強いアゴニストの種類によって,AMPA(α—amino−3—hydroxy−5—methyl−4—isoxazole-propionate)型,カイニン酸(KA)型,NMDA(N-methyl-D—aspartate)型の3型に分けられてきた。この数年の間にグルタミン酸レセプターの分子クローニングが急速に進み,遺伝子ファミリーの全貌がほぼ明らかになった。ここではサブユニット遺伝子に基づくレセプターの分類と今後の問題点,特にシナプス可塑性とグルタミン酸受容体の関連を含めた最近の知見について概述する。なお最近の総説の幾つかも参照されたい6,24,29,35〜38)。
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