Japanese
English
特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅲ.代謝的に作用する薬物
代謝回転に作用する薬物
グルタミン酸減少剤
Drugs inducing the reduction of cerebral glutamic acid
栗山 欣弥
1
,
中安 博司
1
Kinya Kuriyama
1
,
Hiroshi Nakayasu
1
1京都府立医科大学薬理学教室
pp.498
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900271
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
グルタミン酸は通常,脳内にもっとも多量に存在するアミノ酸である。このグルタミン酸は血液―脳関門を通過し難いため,その大部分は脳内で生合成されると考えられている。グルタミン酸のような代謝回路の中心に位置する物質は多種多様な制御を受けており,その代謝調節は複雑であるが,神経伝達物質としての代謝に限定すると,この事情をかなり単純化できる。
神経終末から遊離されたグルタミン酸は,シナプス前膜のほか,グリア細胞へも再取り込みされる。ここでグリアのみに局在するグルタミン合成酵素でグルタミンに変換された後,再び神経終末に輸送され,グルタミナーゼの作用によりグルタミン酸に再生される。このグルタミン酸―グルタミン回路はニューロンとグリアの代謝的相関という意味からも,重要視されている(図1)1)。一方,TCA回路を経由するグルコース由来のde novo回路も合成系の重要な部分となっている。
Copyright © 1991, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.