Japanese
English
連載講座 個体の生と死・7
初期発生:体軸形成と胚葉の分化
Early development: Establishment of body axes and differentiation of germ layers
森本 武志
1
,
塩田 浩平
1,2
Takeshi Morimoto
1
,
Kohei Shiota
1,2
1京都大学大学院医学研究科生体構造医学講座
2京都大学医学部附属先天異常標本解析センター
pp.145-151
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901558
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動物の発生においては,たった1個の細胞である受精卵から,形態的・機能的に分化した多様な細胞の集団から成る体が形作られる。その過程でどのようなメカニズムによって細胞が分化し,多様な細胞系譜ができるか,また,複雑なボディープランがどのようにして作られるかは,古くから発生学における中心的な問題であった。従来ブラックボックスの中にあったこれらの問題も,近年の分子生物学の成果によって新たな視点が開けてきている。ボディープランの分子機構については,哺乳類でのデータは乏しいが,最近,両生類などの胚で次々と重要な分子が発見され,その制御機構が明らかにされつつある。本稿では,体軸形成と胚葉の分化について,形態学的な所見と最近の知見を含めて概説する。胚葉分化のうち,最も興味深く,また最も詳しく研究されているのが中胚葉の分化であるが,中胚葉については,次号で詳しく論じられることになっている。
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