特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
4.細胞増殖・細胞周期
成長因子
FGFファミリー
伊藤 信行
1
1京都大学薬学部薬品作用制御システム専攻
pp.426-427
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900954
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[構成員]FGF-1(aFGF),FGF-2(bFGF),FGF-3(int-2),FGF-4(hst-1/K-FGF),FGF-5,FGF-6(hst-2),FGF-7(KGF),FGF-8(AIGF),FGF-9(GAF)
概説
ウシの脳や脳下垂体の抽出液中に線維芽細胞の増殖を促進する因子,線維芽細胞増殖因子(FGF)が存在することが明らかにされた。その強力なヘパリン結合能を利用して,2種類のFGF(aFGF,bFGF)が精製され,その構造が明らかにされた。その後,種々の培養癌細胞よりトランスフォーミング活性を指標にして単離された遺伝子が,FGFと構造が類似しているタンパク質(FGF-3~FGF-6)をコードしていることが明らかにされた。さらに,上皮細胞に特異的な増殖因子(FGF-7)が単離され,その構造がFGFと類似していることも明らかにされた。これらの知見から,FGFは構造の類似している7種類のペプチドからなるファミリーを形成していることが明らかになった(図1)。その後,マウス乳癌細胞やヒトグリオーマ細胞より新しいFGF(FGF-8,FGF-9)も同定されている。
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