骨カルシウム代謝調節最前線
FGF23に関する新たな知見
福本 誠二
1
1東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科
キーワード:
心拡大
,
変異
,
線維芽細胞増殖因子-23
,
HRAS Protein
,
NRAS Protein
,
FAM20C Protein
Keyword:
Cardiomegaly
,
Mutation
,
Fibroblast Growth Factor 23
,
HRAS Protein, Human
,
FAM20C Protein, Human
,
NRAS Protein, Human
pp.199-204
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2014295628
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FGF23は,腎近位尿細管リン再吸収と,1,25-水酸化ビタミンD濃度の低下を介する腸管リン吸収の抑制から,血中リン濃度を低下させるホルモンである.このため過剰なFGF23活性により,低リン血症性疾患が惹起される.このFGF23関連低リン血症の原因としては,X染色体優性低リン血症性くる病(XLHR)をはじめいくつかのものが知られていた.近年,新たなFGF23関連低リン血症性疾患の原因遺伝子が同定されるとともに,抗FGF23抗体が成人XLHR患者の低リン血症を改善することが示された.また,FGF23がリンに加えカルシウム再吸収にも影響する可能性が明らかにされた.さらに,FGF23の高値は種々の有害事象と相関することが報告されている.ただし,これらの相関の機序は不明であり,有意な相関を認めない成績もある.FGF23に関しては,現状でも未解決の問題が残されている.
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